きっかけ 誰かを好きになる「きっかけ」って何だろうと思ったことがある。 その人の性格?その人の顔? そんな単純なものではない気がする。 じゃあ誰かを好きになる「きっかけ」ってなんだと思う? 騎士院のある一室。 今日は朝から星の娘候補マリンは勉強をしにリュートの所に訪れていた。 あーでもないこーでもないと苦手な勉強を頑張って解いている彼女を見つめながら、ふとリュートが口にした言葉。 「ねえ、マリンさん。」 「はい?なんですか?」 「誰かを好きになる「きっかけ」ってなんだと思う?」 リュートの唐突な質問にマリンは一瞬キョトンとした表情を浮かべる。 けれどもそれは一瞬のうち。マリンはニッコリといつもの優しい微笑みを浮かべながら リュートの質問にあっさりと答えを返した。 「きっかけなんてないと思いますよ?」 「・・・え?」 マリンから返ってきた予想外の答えに今度はリュートが目を丸くした。 「どういうこと?」と首を傾げながらマリンに聞く。 「きっかけ」がないのならどうやって人を好きになるのだろう。 誰かを好きになるということは「きっかけ」が必要だと思う。 けれども彼女は「きっかけはない」と答えた。その言葉の意味がリュートには理解できなかった。 そんなリュートの様子を見かねたようにマリンは言葉をつけたす。 「だって誰かを好きになるのはいつの間にかですから。だから「きっかけ」なんてないんです。 ただ自然とその人のことが気になりだして、いつの間にか好きになっているんです。」 「いつの間にか・・・?」 「はい!少なくとも私はそう思っています。」 自信有りげに微笑むマリン。 いつの間にか気になって・・・いつの間にかその人を好きになる。 だから好きになる「きっかけ」がないと彼女は笑う。 でも良く考えればそうなのかもしれない。 「・・あはは。」 「リュート、さん?」 「やっぱりマリンさんには敵わないや・・・。」 「?」 だって僕も同じだから。 いつの間にか君のことが気になりだして、いつの間にか好きな人にかわっている。 その想いに「きっかけ」があったかと言われればきっと「わからない」と答える。 だって彼女を好きになったのは「いつの間にか」だから・・・。 「僕も同じかな、マリンさんと。」 「はい?」 リュートの言葉にマリンは不思議そうな表情を浮かべながら、首を傾げる。 そんな彼女の仕草さえ可愛く思える。 顔や性格じゃない。 誰かを・・・君を好きになったのはきっと「いつの間にか」。 「誰かを好きになる「きっかけ」なんてないだなって。」 「きっかけ」がなくたって誰かを好きになれる。 だって僕が君を好きになったことがその証だから・・・ね? ++あとがき++ リュマリ2作目・・・うわぁ。一体何が言いたかったのだろう。 とりあえず誰かを好きになるにはきっかけはいらない。ということです。 好きになるには自然に好きになってますしね、そりゃあ確かにきっかけもあるんでしょうけど・・。 矛盾してますね。でもまぁ許してやってください。 次回作は何にしようか悩んでいます。シリマリも書きたいのですが、まだ1作もないアークマリンも書きたい。 この作品書いて〜ってリクある人は遠慮なく言ってください。その方が助かりますから・・・(>△<) 2004.11.15 |