おやすみ










人生20年。

確かに今まで色々困った場面に出くわしてきたつもりだが、今回ほど困ったことはないだろう。
リュートはそう目の前に広がっている光景を見て眩暈を起こした。


「マリンさん!マリンさん!!」


自分のベッドを占領して眠っている少女マリンの名前を呼びながら、リュートは軽くマリンの体を揺すった。
しかし熟睡しきっているのか、マリンはなかなか起きてくれない。

それどころかコロンと寝返りをうっては「う〜」とか「にゃ〜」とか可愛い声で寝言を言う。
そんな状況にリュートは困り果ててその場にしゃがみ込んだ。


「駄目だ、全然起きないや・・・。どうしてこう無防備なのかな・・・マリンさんは。」


そう呟きながらリュートはマリンの茶色い猫っ毛の髪を自分の指に絡ませながらスヤスヤと眠るマリンを
見つめ苦笑した。


「僕ってそんなに信頼できる様な人じゃないんだよ?」


いまだ目が覚める気配のないマリンに語りかけるようにリュートはそう言った。
そもそもこれがアークやシリウスだったら今頃何をしているのかわからない。


それに・・・。


「僕だって何もしないって保障ないのに・・・でもまぁ、いいか。」


そう言いながらリュートはクスッと微笑した。
そうしてマリンの頬にチュッと音をたてて羽のようなキスを落とす。


今はまだこのままでもいい。


僕らのペースで少しずつ・・・今まで離れていた分の隙間を埋めていけば。


焦る必要なんてないんだ。だって今は・・・




「今は一緒にいられるだけ幸せだからね。」


そう言いながらマリンにソッとシーツをかけてやると、リュートは部屋の明かりを消す。
そうして幸せそうに眠るマリンの顔を見ながらいつもの笑顔を浮かべ呟く。


「おやすみ、マリンさん。」



























++あとがき++

短いですね、短すぎです。すみません。今日唐突に書いたものなんでかなり内容おかしいです。
お許しください・・・でもリュマリはファンタ2の中で一番好きなCPです。
なんだか幸せそうだな〜みたいなオーラじゃないですか、2人とも。
そんな感じのマリンとリュート好きです。黒リュートもかっこよくて好きですが・・・(笑)


2004.11.12



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